2010年3月7日日曜日

茶番劇=「<自民党>与謝野氏が新党結成の可能性に改めて言及」


民主党による政権交代に価値があるとすれば、それは二つしかない。
  1. 政権交代が可能であることを実証すること。
  2. 自民党よりもイデオロギー的に多様で、イデオロギーを国家権力と結び付けない現実主義が民主党の特徴であること。
この点の有効性は、自民党や自民党の分派が政権に返り咲くことによって逆戻りにさせて良いほどに価値のないことではない。

例えば、与謝野氏だか誰だかが、自民党を率いるか新党を率いて、何ができるというのか? おそらく、次のようなシナリオが考えられる。
  1. 現行の金融政策を維持しながら、財政再建のために歳出抑制策をとる。
  2. 消費税、所得税の増税を行い、法人税については引き下げる。
  3. 郵政民営化を復活させる、などの民営化策を段階的に進める。
さあ、これで何が解決するのか? 何も解決しないのである。

財政再建が可能になる? 900兆円に近い国債にとっては焼け石に水の効果しかないだろう。小泉次代の民営化を引き継いでも、それは真の民営化からは程遠いものだ。巨大な独占企業を作ることで満足するような民営化は意味がない。増税は、倫理的に許しがたい。借金を放置してきたのは政府であり、政府の支出が債務の原因ではないか。しかも、税金は強制的に暴力的に強権によって国民から略奪した国民の富であることを忘れてはならない。国債超過の犯罪的責任は政府にある。

二大政党制というのは、自民党一党支配からの脱却としての意味しか、実はないのだ。民主党と自民党の違いは、民主党が社民的な巨大国家を指向し、自民党が保守イデオロギーと殖産興業政策優先の国家独占資本主義に基づくやはり巨大国家を指向するという点で共通している。彼らは国民個人個人の私有財産や自由を抑圧し、国民から税金という「合法的」手段によって富を収奪し、横流ししているのである。民主党になっても自民党になってもその点は変わらない。だから、二大政党制には過渡的な役割しかないのである。それは、やがて小さな政府へ、政府の自己解体と個人と私企業の自己組織化へと移行していかなければならない。搾取者である政府を見限るのである。

いわゆる「民主主義」体制における「合法」性は矛盾の上に成り立っている。私有財産を侵害して税金をとることを「合法」としながら、窃盗を犯罪としている。「民主主義」は多数者による独裁にすぎない。

つまり、いかなる政府の増税にも反対する必要がある。国民は政府の財布ではない。増税に加担する政党は、国民の敵である。さて、自民党やその分派も民主党と大差のないことが分かるだろう。

政府は、段階的に、しかし大規模にその役割を削減すべきなのである。
Shut Down the Government!


2010年3月1日月曜日

馬鹿なことをいうな、「消費税議論、避けてはいけない」自民・石破氏

読売onlineの記事『「消費税議論、避けてはいけない」自民・石破氏』を読んで、恐ろしくなってしまった。
法人税などの直接税は景気の変動の影響を受けやすいと指摘した上で、「景気が良くても悪くても高齢化は進む。その財源を直接税にすることはもう無理だ。日本の経済成長の姿や財政再建をどう行うかなどを示す中で、消費税の位置付けをきちんとしたい」と強調した。
何を偉そうなことをいうか。事実をベースに言い換えれば、次のようになるだろう。
法人税などの直接税は景気の変動の影響を受けやすいので、政府による民間収奪の効率が悪い。反面、「景気が良くても悪くても高齢化は進み、その福祉に対する財源に政府の余分の金を振り分けるのは直接税だけではもう無理だ。より広い社会階層から収奪することで、「福祉のため」という大義の偽善性・ペテンが暴露されてしまうことを避ける必要がある。日本の経済成長の姿や財政再建をどう行うかなどを、絶対不可能にも関わらずとりあえず嘘でもいいから示せないと、選挙に勝てない。だから、消費税の位置付けをきちんとしたい
さらに言えば、次のような状況が現実なのだ。
政府は、私有財産権を否定し、徴税によって個人の合意なしに財産を収奪する。それはまったく強盗に等しい。あらゆる税とその複雑な体系は、その窃盗という犯罪的かつ非倫理的本質を隠蔽するために企てられた、虚偽でありかつ自己矛盾の形式的体系に他ならない。政府はその嘘っぱちの犯罪的な制度を徴税権力と警察権力と軍事組織によって防衛することによって、政府・官僚機構の犯罪的かつ非道徳的な存続を可能にしている。景気の良悪などとはまったく無関係に、あらゆる租税は犯罪的な窃盗であり、私有財産権の侵害であり、それは自己所有権としての生命と個人の尊厳に対する侵害に容易に結びつきうることは、現在の人権状況を考えれば疑いの余地はない。政府権力の市場と私有財産に対する暴力的な介入を排除することによって、経済システムはより自然なプロセスに回帰し、個人の自由と尊厳は最高度に高められる。
消費増税など、言語道断である。あらゆる租税制度の縮小と廃絶をめざすべきだ。政府に言うべき言葉はただ一つだ。
消費税? その前に盗んだ金を返せ!
ハーバート・スペンサー(1820–1903)の言葉を思いおこす必要がある。
不道徳でなければ、政府ではありえない。
Government is essentially immoral.
Spencer, Herbert. Social statics, or, The conditions essential to human happiness specified, and the first of them developed, 1863.