2009年6月13日土曜日

DOTの指向する芸術

DOTは芸術をどのように考えるか。一言でいうなら、岡本太郎が語った「芸術は爆発だ」で十分なのだ。しかし、さらに付け加えることも可能だ。

芸術は爆発だ。それは、人間の意識と無意識が、技術に支えられて生み出す、形態、音響、色彩等々の特殊な組み合わせなのだが、それは作り手と鑑賞者の双方に直観的なコミュニケーションを成立させる爆発的な力をもつ。

特に美術や音楽においては、芸術は、言葉の表現領域や意味の世界を超越しなければならない。美術や音楽は言葉の芸術であってはならず、論理や言語の技芸ではない。例えば、絵画の中で、意図的に寓意的あるいは象徴的な要素を用いることがあったとしても、それらが鑑賞者の脳裏に明示あるいは暗示する意味は、その絵画の効果を支える副次的な要素でしかないということだ。意味は、美術や音楽におけるコミュニケーションを成立させている本質的な要素ではない。具体的な形、表現形式の直観的な把握にこそ、美術や音楽の本質なのだ。

だから、美術史や分析的な絵画研究は、参考としては役立つことはあるが、それらによって、美術や音楽の鑑賞というものの働きを説明できるわけではない。

芸術を客観的に説明することは不可能だ。なぜなら、それは主観に依存しているからだ。

つまり、DOTは、視覚・音楽芸術において、具体的な表現形式と主観性を重視する。言葉や意味を副次的にしか取り扱わない。直観的に姿を捕捉することがもっとも重要と考える。

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